流行にのせてニックネームを付けるなら「ハニカミ乙女」。恥じらいをのぞかせながら、自分のこと、根室のこと、仕事のことを一生懸命に語るその姿は、初々しくて思わず応援したくなる。

 塩津朋さんは、熊本生まれ。島根、金沢、横浜、川崎など転勤族の娘の性で引越しを重ねて徐々に北へ。そして現在、道東の端っこ、根室市明郷(あけさと)で働く。
 大学4年の夏、十勝管内音更町の高野ランドスケーププランニング株式会社をインターンシップ先に選んだ。
「インテリア素材の研究をしていて、居心地の良さに関心がありました」(塩津さん)
その縁で参加したワークショップがきっかけとなり、平成18年4月に明郷伊藤☆牧場に就職した。「ワークショップで根室に来たとき、そのスケールと発想の大きさに驚きました。
こんなに広いところで新鮮な空気を吸っていたら、都会に戻ってリクルートスーツに身を固めて就職活動する自分が想像できなくなってしまって。企業をブランドで選ぶより、自分の好きな場所、楽しめる仕事をしたいと半ば勢いで」、ABーMOBIT事務局スタッフ募集に手を上げていた。
 AB−MOBIT(エービーモビット)とは、平成13年に結成された根室市の若手酪農家集団の名称。
「牧草を100%自給できる広大な牧場の景観を生かして、人を繋ぎ歴史を伝えよう」と、英国式フットパス(遊歩道)整備に取り組む。すでに、厚床・初田牛・別当賀の3コース(約42.5km)が完成。キャンプ場や農産物加工体験館など、壮大な構想は着々と形になっている。平成18年には、国土交通大臣表彰も受けた(根室管内初)。地元企業の大地みらい信用金庫は、平成17年より『大地みらいフットパス・ウォーク』を主催。全道各地から約100名の参加者が歩く。(AB−MOBIT並びに根室フットパスの詳細は、ホームページで。
http://www8.ocn.ne.jp/~abmobit/
 今年4月に新装開店した「酪農喫茶」もまた厚床パスの休憩ポイントであり、動物と触れあい、酪農体験も出来るキーステーションの一つ。伊藤牧場内にあった旧陸軍の炊事場を再利用した。酪農と漁業の街、根室の特産品にこだわったアイディア溢れるメニューが多い。
ベーグルサンド(道産小麦ハルヨコイ使用)
380円より
根室市内のパン屋ni〜noと、素材や大きさなど相談しながら開発したオリジナル・ベーグル。地元の鮭匠藤井のピンクスモークサーモンや道産牛肉100%のハンバーグ、新得産ハスカップなど、具材にもこだわる。
ほっき貝のミルクスープ
Sサイズ360円・Lサイズ460円
根室市落石で採れるホッキと別海の生乳がクリーミィーに溶けあう優しい味。
レインボーソフト
チョコ・ストロベリー・マンゴー各300円・ミルク270円(パフェは3種各580円)
当牧場オリジナルミックスのソフトクリームにも、もちろん地元生乳がたっぷり。パフェには、塩津さんと仲間たちのアイディアでミルクかんや根室名産オランダ煎餅がトッピングされている。
「新メニュー」じゃがいもの冷製スープ
Sサイズ260円・Lサイズ360円
道産じゃがいもとたまねぎを丁寧に裏ごしし、生乳とあわせたもの。
「新メニュー」カレー
ビーフカレー780円・ハンバーグカレー980円
柔らかく煮込んだ道産牛肉がごろり。道産米と自家製ピクルスとの相性抜群。

 移り住んで1年半が過ぎた。
「ホームシックになったことはありません。そんな暇もないくらい、目まぐるしい毎日でしたね」頬を紅潮させて、またちょっとはにかんだ。素直な人柄ですっかり根室っこの顔になってはいても、「2、3年もしたらご両親のいる東京に帰るんでしょ?」と、今も聞かれることがあるという。
「そんな時は、気がすむまで居ようと思いますって答えてます」きっぱりと話した瞳の奧は、「まだまだここでやりたいことはたくさんありますから」そう語っているように感じられた。
根室市明郷101番地
T0153−26−2181
【夏期営業】午前9時30分〜午後5時・水曜休
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