初めて公募展に出展。
姿見ごしに見ると、
母娘の表情に涙する人も多い。
子供の頃から、
自分でイメージした人形や小物を
手作りしてきた江口さん。

人形創りのきっかけは、
10年ほど前に友人から贈られた
創作人形の作品集。
そこに載っていた生き生きとした
表情の人形たちが、
ふと気持ちに入って来たと話す。
江口さんが創るのは、粘土を使った、
高さが40〜50cmほどの人形。
洋服や靴、小物の一つ一つまで創る。
粘土で体のパーツを創り、
つなぎ合わせて乾燥。
肌は作品によって布で覆うか
着色を施し、表情を描き、
似合う洋服を縫って着せる。
その工程は3か月に及ぶ。

そうして仕上がった作品は、
見ているだけで、背景や温度、
風の動きまで感じられるほど、
リアルな存在感を放ち、
見る者を魅了する。
第25回人形道展で「知事賞」を受賞した『創る』は、
友人の陶芸家がモデル。
ろくろの上の陶器を創ってくれた。
かわいい二人のお孫さんが
モチーフの作品も多い。
懐かしい写真や、
思い出の場面からイメージが
ふわっと湧き出てくることもあると言う。
作品の柔和な表情は、
江口さんの人を見つめる眼差し
そのものに違いない。
お孫さんも好きな「まねっこザル」は
アルバムからイメージが膨らんだ。
「人形が出来上がり作品となる瞬間、
 私もほっとするけど、
 人形もほっと息をするように感じるんです。
 それで完成したと安堵しますね。
 作品は一生創り続けたい、そのためにまだまだ
 技術を磨きたいですね」(江口さん)。

この春は、5月の公募展に向けて、
新たな作品に取り組むことになる。
「風神 雷神」は、
お孫さんが小さい頃の
賑やかさを作品にしたもの。
愛情あふれるユーモアたっぷりの
表現も江口さんならでは。
「渾身」は
江口さん自身も好きな作品。
和太鼓を奏でる
力強い筋肉と躍動感がリアル。

弟子屈町美里4-5
tel.015-482-2765

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