地元商工会の特産品開発に協力の手を上げた7人の女性グループ『とんがり帽子』。活動は6年目に入った。 道具はどれも一般家庭の台所と同じものばかり。 「道具にお金なんて掛けないよぉ。失敗したら工夫して、その繰り返しでここまで漕ぎ着いたのさぁ」。 浜中の恵みと浜の母さんの心意気が詰まった鮭カレーパンは、1個150円。霧多布湿原センターで販売中。 手間を惜しまず、何度もチャレンジ。 昆布入りソフトクリームカップもある。こちらは、霧多布温泉ゆうゆでしか食べられない。お風呂上がりに、眼下に広がる海を眺めながら頬ばるとピッタリくる。ソフトクリーム250円。 とんがり帽子の鮭カレーパンは、冷めてもふっくらして変わらない。 「こうなるまでは、形や材料を変えて何度も何度も試作したんだよ」。 失敗作をおやつ代わりに反省会(井戸端会議?)が始まる。身振り手振りを交えて話に花が咲いていく。疲れを吹き消す明るい笑顔。 母は強し、そして賢し。
2006年10月号 vol.13 自分の心と体の質を知ったから気づける。 いま必要なこと、補ってあげるものに。 川原 稔江さん しっでぃぐり〜んネットワーク(釧路市阿寒町) 釧路市阿寒町舌辛原野14線23‐25 T0154‐66‐2608(土日休) ‘完全な健康’を目指す、 マハリシ・ヴェーダ医療に共感して。 彼女が10数年前に出会ったマハリシ・ヴェーダ医療は、古代インド発祥のアーユルヴェーダに現代的な検証を加えた自然療法で、心身を完全な健康に導く予防医学に重きをおく。 その診療の中に、デトックスの元祖と言われる心身浄化法(パンチャカルマ)もあり、川原さんは5年ほど前に5日間のプログラムを体験した。 「病気や悩みを抱えていた訳じゃなく、健康診断のつもりでした。2人の女性が全身にオイルを塗るトリートメントは、手の動きが優しく同調して心地よく、日を追うごとに頭も体もリセットされていくような感覚でしたね」。 「この体験以降は、日々のストレスや忙しさでバランスをつい崩すことはあっても、浄化を体感する前よりずっと、自分の心身の変調が分かります。それは大きな差ですね」。 気持ちがいいから続けられる、デトックスな生活習慣。 マハリシ・ヴェーダ医療を知って始めた生活習慣がある。朝の舌掃除、白湯を飲む事、オイルマッサージがそう。ちなみに、寝ている間に舌の表面についた老廃物をとる舌掃除は、戦前の日本では普通に行われていた。 改めて、ヴェーダ医療に出会ってからのご自身の変化について振り返ってもらった。 「一番変わったのは、内面かもしれません。昔は人の声を気にして不安になりがちだったけど今はない。強くなれたなって思います」。穏やかな声が一瞬、凛と響いた。
2006年9月号 vol.12 木の上で、ただぼーっと過ごすのもいい。 何もしてないときこそ新しい発見がある。 横田 宜伯さん 白糠町青少年旅行村 管理人 NORTH STATION 代表 星を観たくて野営を覚え、 カヤックに魅せられて道東に通った。 24歳で天体望遠鏡販売店(名古屋)を開業した。カヤックの魅力にはまった横田さんは、アウトドア用品を拡充してキャンプツアーやガイドを企画。人気を呼び、何度も道東を訪れていた。 阿寒に移住。アウトドアガイドNORTH STATIONを始める。平成16年、拠点を当地に移して白糠町青少年旅行村の管理人を兼務している。 入村5組を念頭に5棟のツリーハウスを計画。先月、1棟目が完成した。樹齢数世紀のミズナラを核に、すべて手作り。 50歳で大工を辞め、父は漁師になった。 ツリーハウスの設計から施工まで自分でやった横田さん。実は、門前の小僧なのだ。父親は、大工だった。今で言うフリーの職人。大阪で50歳まで大工を続けた後、スッパリ辞めて故郷の島根県で漁師になった。 天体観測に夢中だった横田青年は、天文台や望遠鏡を製作する会社(京都)に押し掛け入社する。そこは、技のエキスパート集団。施行現場では資材運び、道具準備と奔走した。職人に見込まれて仕事を教わる術は身についていた。 ハレー彗星のために退社、豪州(オーストラリア)へ。 入社4年目の86年、横田さんは2ヶ月間の長期休暇を申し出た。仕事は楽しい、会社に不満はない。ただ、ハレー彗星が接近していた。 研修心を燃やすブルーベリー栽培。 株オーナー制の無農薬畑も準備中。 毎朝5時に起きて、ブルーベリーの世話をする。およそ2時間かけて。「山で自生してる準高山植物なのに、道東では育ちにくいと聞いて調べてみたら、意外と未研究な植物。数種類を露地とハウスで栽培中です。来年は、株オーナー制にして増やしたい」。
2006年8月号 vol.11 いっしょに歩いた人たちがサポーターになっていく。 「ラクル頼むよ、守ってよ」それは責任、そして喜び。 木村 初美さん ねむろ自然ガイド・ラクル 代表 見て触れて、感じてもらう道具を小さな体に満載。 図鑑、虫メガネ、スコープ…縫いぐるみや掛け軸も。 あっ、今のさえずる声、聴こえましたか?」木村さんの呼びかけに木道を行く足を止め、空を仰いで耳を澄ました。 世界で国後とここ春国岱にしかないという砂の丘のアカエゾマツの森の中、澄んだ声の主は青い小鳥ルリビタキだった。 根室に嫁いで25年。二人のお子さんは巣立った。嬉しそうに差し出した携帯電話の待受画面に映る愛くるしい赤ちゃんを「初孫なんです」と紹介されて驚く。おばあちゃん?その瑞々しい笑顔からは想像もできない。 根室の大自然は、窓枠観光で通過するには惜しい魅力に満ちている。 平成13年4月、受講仲間「自然ガイド養成講座」と「ねむろ自然ガイド・ラクル」を起こす。 ラクルは、アイヌ語で霧の意味もあり、根室独特の風土を育んだ「海霧」と名付けた。頭文字Rを図案化したマークには、春国岱の森とオホーツク海、その境目に立つアカエゾマツ、双眼鏡が描かれている。「メンバーはみな生粋の根室人。開拓の歴史や昔話も語れるガイドです」。 活動5年目の夏、ラクルと同じ気持ちで春国岱を見守る仲間が作曲したテーマ曲『ラクルの子守唄』がCD発売され、8月19日には、根室市内の清隆寺でお披露目ライブも開かれた。