過去の本音対談(2008年3月号 vol.30〜2007年6月号 vol.21)
2008年3月号 vol.30
頭は固い、中骨は薄い、身は柔らかい。
扱いづらい魚だけど、素直な味です。
上田 攻さん
お食事処 ふじ(標津町)店主

標津町南2条東1丁目2−5
TEL0153−82−2248
【営業】17時〜1時(年末年始のみ休)
これが、オオカミウオの顔。
体長1.5m・重量7kg、頭は成人並み!!
姿はウツボのよう。
標津の前浜に揚がる強面の巨大魚、
オオカミウオと格闘すること1年半。
「秋鮭漁の網に入ってくる厄介者なのさ。大抵は海に返しちゃうんだけど、物好きな知り合いが料理してみてくれって持ってきたのが、1年半前かな」。
 半世紀近い板前人生で初めて扱う食材だった、と上田さんは苦笑いする。
 英名ウルフ・フィッシュ(狼魚)。水深50m位の岩場近くに住み、欧州ではフライ料理に使われる馴染みの魚らしい。

15の春、自分の意志でこの道に決めた。
旭川、東京、箱根、京都、札幌、釧路…
 旭川市内の中学を卒業後、自らの意志で日本料理店に就職した。
〜3食付きで、小遣いもらって、仕事まで教わって。こんな贅沢ないんだぞ〜
 最初の店で親方に言われた台詞だ。
 13年前、標津町で開店し、定住した。
「継がせる気はなかったんだけどね…」次男の学さんも同じ道を歩み始めた。「楽じゃないから」と、複雑な親心をのぞかせながらも、表情がほころんだ。

写真1
写真2
和食は姿、洋食はソース、中華は炎。
洋と中華は、休日に友人の店で覚えた。
 総重量7kgのオオカミウオも下ろして食材になる部分は、僅か1・2kg程。
 でも、タラに似たその身は、刺身・鍋・ソテー・蒸し物など、和洋中華と色んな料理で旨みを発揮する。
 写真1は、ソテー・バジルソースがけ。写真2が揚げ魚・チリソース風。魚の調理法と自家製ソースがピッタリだ。
「和食は姿、洋食はソース、中華は炎が命。それぞれの単品料理はもうお出ししてますよ」。柳川鍋は粉山椒、ソテーはレモンバターソース、重ね蒸しは中華あんが味の決めて。各800円で提供中。

次なる課題も、既に持ち込まれている。
地元の名物料理探求の道は、つづく。
 上田さんならやってくれる、と次なる課題も、既に持ち込まれている。
 地元有志が心血を注ぐ「標津ラーメン」(しべつ良麺(イケメン)クラブ)にも参加し、もうすぐ完成の運びと聞いた。
 還暦を越えて尚、職人魂は健在だ。
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「感謝して大切にいただくのが、
基本ではないでしょうか」
(塚田さん)
2008年2月号 vol.29
地産地消は、食生活に密着してこそ。
足元の美味しい恵みに気づいて欲しい。
塚田 杜旨子さん
釧路手前みその会 代表

 釧路市出身。7年前から自家製味噌づくりを手がける。「地元食材の良さを見直して欲しい」と、独自の地場産昆布入りみそを伝えている。紙面で紹介した味噌で、材料費のみ3750円(講習無料)。
詳しくは、T0154−46−2065(塚田)


塚田さん流
昆布入り味噌の材料
材料(味噌およそ4・5kg分)
*青大豆(津別産自然農法)
……………………1・25kg
*玄米コウジ
(指定米で作るオリジナル)
……………………1・25kg
*塩(内モンゴル天日塩)
……………………500g
*根昆布(釧路町産)
……………………約500g
自家製だから出来る安心な材料選び。
昆布はじめ地元食材にもっと光を…
 材料には気を遣います。大豆は無農薬で無化学肥料の津別産青大豆。煮汁を飲むと、みなさん納得されますよ」
 この煮汁1.5カップと釧路町産のダシ用根昆布で作る昆布汁も、塚田さんの自家製味噌に欠かせない材料だ。
「汁と昆布を中火にかけて、煮立ったら火を止めて蒸らします。この昆布汁が私の一番のこだわり、かもしれません」
 せっかく良質な昆布がたくさん揚がる土地なのに、意外と食卓に上らない現実を、塚田さんは惜しんできた。
「昆布入り味噌を通じて昆布はじめ地産地消する食生活を見直して欲しい」と、切に願う。

洪水孤児たちに教育資金を援助する
スリランカ教育里親の活動も広めたい
 塚田さんは、洪水被害で両親を失ったスリランカの子供たちに教育資金を援助する『スリランカ教育里親』の釧路窓口にもなっている。
「こんなご時世こそ、助け合って生きる大切さを感じるんです」
 また、シマフクロウを守る活動を展開する『コロカムイの会』にも参加。
「環境問題は、食物連鎖の頂点に立つ私たち人間の良識が問われているのではないかと最近思います」
 言葉づかいが美しく、優しい物腰の奧に凛とした意志を持つ塚田さんに、味噌と同じく受け継がれるべき日本女性の姿を見る思いがした。
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TV番組の取材で、
俳優の梅宮辰夫さんに解説する職人の山岡耕造さん(84歳)。
平成20年の干支飾りも完成。
(1個1500円〜)
鶴、亀は1個1000円〜。
2008年1月号 vol.28
商売していて、儲け優先じゃないと
言っても信じてもらえないですかねぇ。
山根 絢子さん
有限会社 山根商店 代表取締役

山根商店 ※昆布工芸品の予約販売はこちら。
浜中町霧多布東3条1丁目1(T)0153‐62‐3151


出稼ぎに行かざるえない現実を、何とかしたくて考えたのが始まり。
 日本伝統の食材、昆布。国内物の9割以上が北海道産であり、浜中町は年間平均2千t超を水揚げする昆布王国として名高い。
 そんな地元特産品を工芸品に変身させた女性がいる。
 山根絢子さんが、昆布で工芸品を作ろうと思い立ったのは15年前のことだった。
「輸入物におされて国産昆布の売上げが落ち込んでね。地元の漁師さん達がつぎつぎと出稼ぎに出ていったの。人が離れて町の経済が沈んでしまうのをどうにかしたくて…」
 山根さんが紙で試作すると、地元のベテラン漁師さんが昆布で制作。緻密な出来栄えや珍しさが評判を呼び、東京・大阪の物産展でも販売された。
宝船は、帆や俵も昆布細工。
写真は、船体40cm位の大サイズ
(2万円)

アイディアを眠らせずにやってみる。
手間も時間もかかるけど諦めずに。
 アイディアウーマンの山根さんが、また新たに取り組んでいることがある。何気なく町の浜辺を散歩して発見した物がヒントだと言う。
「どこの町だったか忘れたけれど、食事をするお盆の上に並ぶ全部が特産品というのを見たことがあります。お料理だけじゃなくて器も箸もみんな。浜中でも、そんなサービスができるんじゃないかと思って」夢の一端を匂わせて嬉しそうに笑った。
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「このラベンダーを写してあげて」今年も色鮮やかで芳しい花をたくさんつけてくれた鉢を愛おしそうに抱きかかえて、そう話す藤原さん。
「花に触れていると
心が穏やかになるの」
2007年12月号 vol.27
結婚記念日に、と男性が花を買いにくると
アレンジしながら私まで幸せになるわぁ。
藤原 紀子さん
イトーヨーカドー釧路店「お花屋さん」勤務
フラワーセラピスト


年をとっても受け身になるのでなく、
できることでお役に立ちたくて。
 「えぷろんを読んで体験講座へ行ったの」。それは、本紙が昨年6月号で紹介したフラワーセラピスト講座のことだった。
 働きながら月3回、一年間で36単位を取得した藤原さんは、今年7月、仲間と揃って資格認定に合格、セラピストになった。
 花療法に興味を抱き、「大好きな花を媒介にして人様の役に立てたら」と、60代半ばにして勉強に打ち込んだ。
『花花セラピスト養成スクール』(釧路市住之江町8T0154−57−4144)7月に5人のセラピストが誕生。
(写真左より、三井さん・藤原さん・講師でスクール主宰の西宮先生・北村さん・鈴木さん※当日欠席の影山さん)

中学生の孫娘が部活で頑張ってる。
私も負けてられない、って思うんです。
 丹精込めた鉢花に囲まれての一人暮らしだが、中学生の孫娘たちが部活仲間とよく訪れる。バレーボールに励む孫を応援に行っては「私もウカウカしてられない」と、やる気が湧いてくると言う。

花のお陰で、会話が弾むの。
品種、色、香りのそれぞれに意味があります。
 こんなリクエストをお願いしてみた。
「30代の友人女性が念願の試験にパスしたんです。お祝いの花束を」と。
 藤原さんは、まずオレンジの透かしユリに手を伸ばした。「オレンジは暖かくて強い色、元気が出ます。それと優しさを運ぶピンク色ね」。
 花は、作る人、贈る人、受けとる人のすべてを癒す。
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準備したポップを高く掲げ、集まった観覧者に分かりやすく銅版画を解説する佐々木さん。
『画家・岸田劉生の軌跡』展にて
2007年11月号 vol.26
「こんなのもあるんだ、面白いね」って図録を見る
子供たちの声に、内心ガッツポーズしたことも。
『画家・岸田劉生の軌跡』展で市民ボランティア解説を務めた
佐々木 ますみさん
北海道教育大学附属釧路中学校 校務補


手法の特徴に熱弁ふるった作品解説。
「大学時代、銅版画を制作していました」
 佐々木さんは『画家・岸田劉生の軌跡』展(釧路市立美術館)で解説ボランティアを務めた。百点余りの展示作品から彼女が説明したのは、銅版画の3部作だ。
「一(大正3年当時)日本人が触れる機会の少なかった技法を、習った年にここまで表現するのは、さすが岸田劉生|」
 習った年にここまで、と感嘆するのは彼女自身も銅版画制作者だから。解説に説得力が加わった所以でもある。
 大学の専攻は、特別教科(美術・工芸)教員養成課程。版画研究室に所属し、銅版画個展も開いた。
木版画の凸に対して、銅版画は凹。銅版に針状の線を描いてインクをためて刷りとる。(佐々木ますみ「冬の窓」19歳頃の作品)

作風が心の変遷を物語る大学時代
 「言葉を絵で説明しようと詰め込んでいた」作風は、「シンプルな色と線の動きで表現する広がり」に様変わりしていった。
佐々木ますみ(21歳頃の作品)

スキー学校で芽生えた教師への道
 5歳から工作教室に通い、中学高校と美術研究所生だったが、芸術家を志したことはない。高2の冬にこれだと目指したのは、まず学校の先生になること。
「スキー学校を手伝って指導の真似事をした時に、教える喜びを知って…」

「美術をもっと気楽に愉しませたい」
絵本や図録を持参して世界を広げる。
 彼女の授業は、クロッキーに始まる。
「短時間で全体をとらえる練習です。基礎を磨けば伸びるから。そうして垣根を外し、多彩な手法を伝えたい」
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2007年10月号 vol.25
落石自慢の海の幸を知ってほしくて、
旨味そのままで食べやすくしました。
海鮮工房 霧娘(きりっこ)のみなさん
代表 小谷鈴子さん
浜辺敬子さん 岸本優子さん 庄林光恵さん
浄土明美さん 島津俊枝さん
こちらが
通常の出荷寸法。
海霧濃い浜の母さんだから、霧娘。
「もっとPRしなくちゃ」工房設立へ。
 全員が漁師の妻。深夜起きで稼業を終えて集まる。
 地元の女性有志6名が「落石の海の幸をPRしよう」と、今年3月に起業。昆布やタコの加工品各種、燻製などを生産販売している。お問い合せは、T0153‐27‐2121落石漁協信用部まで。
「やりたいって立候補して集まったの。応援してもらうけど自立した工房。その方がやりがいあるしね」と、代表の小谷さん。
 家業を支えてきた女房こその力強い言葉だ。

漁協女性部が一年かけたタコ加工品。
タコは、全道屈指の水揚げを誇る。
 落石地区のタコ漁は、全道屈指の水揚げを誇る。
 漁協女性部が一年かけて仕上げたタコ飯とタコの柔らか煮、 そして、この秋からは霧娘オリジナルのタコキムチに燻製なども売り出される。

市場に揚がるタコを即、調理。
本日の漁師は浜辺さんのご主人!
(1)塩をかけてヌメリを十分に取り、足1本の股を割って沸騰した湯で茹でる。
(2)鮮やかに色づき、足の付け根がふっくらしたら茹で上がり。
(3)冷水にとって、さらによく洗う。
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まるみ弁当店
人気総菜ベスト5
2007年9月号 vol.24
老舗弁当屋を切り盛りする8人のエプロン隊。
飽きのこない家庭料理で地域住民の食欲をそそる。
まるみ弁当店のみなさん
お弁当とお惣菜の店まるみ弁当店
釧路市共栄大通2丁目1番地
T0154‐22‐3247
【営業】午前10時〜午後6時・土日祝休み
イカサラダ(100g)100円
「軟らかいイカのみ使用。お昼前に完売する日も多い。取り置き可能」
ナス味噌炒め(100g)150円
「素揚げしたナスと炒めピーマンを豆板醤入りの香ばしい味噌で」
ナムル(100g)100円
「ホーレンソウたっぷり。食べやすくて後を引く味加減が絶妙」
野菜メンチ(1個)60円
「すり身と玉葱で作る球形の天かま。玉葱の甘みが深いヘルシーな一品」
かぼちゃサラダ(100g)100円
「かぼちゃ&はんぺんを粒マスタードで和える。洋風のボリュームサラダ」
手づくりのお惣菜が毎日50品以上。
量って、はじいて10gから何品でも。
 ズラリと60皿以上のお惣菜が肩を並べている。その9割は、8人の女性スタッフが手づくりした出来たてホカホカの品。切り干し大根、煮豆、スコッチエッグ、八宝菜、麻婆豆腐などなど。慣れ親しんだ家庭料理のつやつやした誘惑に、いつも迷ってしまう。
 有難いのは、昔ながらのハカリ売り。10g単位で何品でも、上手に詰めて正確に計算してくれる。
 はかり1台、そろばん3丁がフル回転。
「待たせない、間違えない。ベテランスタッフの手際の良さは、私も見習うばかりです」(藤原店長)

無駄なく、淀みなく、働く手と手と手。
 朝9時の厨房。流れるように作業する早番6人の動きに無駄はない。聞こえるのは、揚げる、炒める、切るの調理音と時おり交わされる確認の声だけ。
 電話が鳴った。
「はい。今日はありますよ。お取り置きしましょうか?」丁寧に答える中華担当の中森さん。よくある常連客の確認メニューは、イカサラダ。仕入れによっては作れない日もあり、一番人気なので正午を待たずに完売することも多い。
 定番メニューがひと段落するや、予約弁当やオムライス、新メニュー作りにも取りかかる。
 一人のアイディアをみんなで練って試食を重ね、完成させる。納豆ちくわ天とかぼちゃサラダもこうして生まれ、ヒット中!

パート女性たちが引き継いで1年半。
新まるみ弁当店は、おふくろ+ママの味。
 創業者の大林さんに後を託された藤原店長は、この1年5ヶ月を振り返ってこう思う。
「あのとき、みんなが残って働くと言ってくれなければ継続は無理だったでしょうね。たくさんのメニューも手間のかかるハカリ売りも、そのまま続けられたからやってこられた」
 女性が多い職場の会議用弁当の注文が増えだした。どうやら、個人利用客の口コミが広まりつつある。
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白糠町西庶路東1条北1丁目1
(T)01547‐5‐2111
【営業】午前10時〜午後7時
1月1日〜3日のみ休
※まいど!白糠店は
午前10時30分〜午後6時30分
2007年8月号 vol.23
お客様の顔も好みも承知してつき合えるのが地元小売店の良さ。売るも人、買うも人が信条です。
西村 則雄さん
明治信和産業(株)
アサヒストアー・まいど!白糠店 代表取締役社長


昭和39年、庶路炭鉱閉山に伴って独立。
最大のサービスは存続、を念頭に。
 明治に始まる庶路川沿いの炭鉱開発は、戦後復活されると急速に発展を遂げた。中でも大規模な庶路と本岐の2つの炭鉱を管理していた明治鉱業の庶路購買部が、アサヒストアーの前身だ。エネルギー革命などの事情で庶路炭鉱は昭和39年に閉山。それに伴い、明治信和産業株式会社が設立されて、アサヒストアーは誕生した。
 西村さんは昭和54年に経理員として入社した。平成11年より現職。売場に出ることも増えて多忙な今を、「接客が性に合ってるようだ」と歓迎している。
 現場の意見を生かして任せるのが西村さんのスタンス。社員数は最小限。ご自身も青果を担当する。朝6時過ぎの仕入れに始まる一日は長い。
「地域の皆さんへの最大のサービスは、店の存続」と、厳しい現実も見据える。

難しい低農薬栽培に夫婦で取り組む宮木節男さん(写真右)。
アサヒストアー、まいど!白糠店両店には10月上旬まで宮木農園(白糠町上庶路)の朝採り野菜が並ぶ。
地元主婦のアイディア料理を詰めた弁当や地元農家の朝採り野菜など、地産地消を広める試みも進めながら。
 4年前から地元の宮木農園と契約して、朝採りした低農薬野菜を店頭に並べている。夏秋の期間限定ながら、安全な野菜が豊富で値段も安いとあって、心待ちにしている常連客も多い。
 紫蘇で有名な白糠町だが、名物と呼べる食材は他にもたくさんある。
 地元の主婦のアイディア料理を競うコンテスト『しらぬか味技フェスティバル』の入賞メニューを特製弁当にして販売してみた。用意した百食が30分で完売する大人気だった。地産地消を本当に根付かせるには、買いやすいシステムづくりが必要」と、地産地消推進にも意欲を燃やす。

地震倒壊後も青空市で18年間続け、
駅前「まいど!白糠店」静かに開店。
 今年6月、駅前の空店舗に「まいど!白糠店」をオープンした理由は3つある。1つは、スーパーが消えて人通りが減った中心街を元気にしたい。2つ目は、車を持たない高齢者への配慮。3つ目は、商圏を拡げて生き残りを図るため。
「うちのような小売店は何より信頼が命。口コミでファンを増やせる店になろうと…」あえてセールも宣伝もしなかった。
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「移住したら大型犬を飼うのも夢でした」(藤原さん)
ラブラドールのアビー(写真)とその子供たちも大切な家族。
2007年7月号 vol.22
米国の大自然に胸を打たれ、日本のオレゴンを求めて屈斜路へ。宝塚時代とは真逆の生活です。
藤原 多美さん
宿・花ふらり(弟子屈町屈斜路)

「宿・花ふらり」
弟子屈町屈斜路181
TEL&FAX 015−484−2633
詳細はホームページで。
[URL]http://www.hanafurari.jp/
ラウンジの窓に映る広大な景色。
奥の摩周岳から朝日が昇る。
星がキレイ」と書き残す人が多い
らくがき帖
古民家風の外観。
右の離れがダイニング。
客室は2階。
ゆったりの広さで天井も高い。
絶景の眺望、夜は天然プラネタリウム。
親子3人、大型犬4匹、ヤギ1頭と。
 摩周と屈斜路のほぼ真ん中、美幌峠に向かう国道から入って緩い坂を登ると、小高い丘の頂に「宿・花ふらり」は見えてくる。
 20代半ばに旅した米国オレゴン州の大自然に心を揺さぶられた。
「こんな場所を日本で見つけて、いつか暮らしたい」と思った。

『…天の川に流れ星。こんな近くに星がみえて、昼も夜も景観の素晴らしさに驚きと感動でした』
 部屋に置かれたらくがき帖の多くに、星空の美しさを堪能したと書かれている。遮るものなど何もない丘のてっぺんで見上げる満天の星。晴れた日は、天然のプラネタリウムショーが繰りひろげられる。
 移住したら大型犬を飼うのも楽しみだった。愛犬アビーが昨冬ママになり、犬は4匹に。ヤギは光政さんの相棒で、ジンギスカンのジンと命名された。
人生の3rd.ステージは、ロングラン。
今度は肩の力を抜いて、はんなりとスローテンポで歩きたい。
 京都に生まれ育った。3歳でピアノに目覚め、「中村紘子さんみたいなピアニストを目指して」難関の堀川高校音楽科(現・京都市立音楽高校)に進学。2年先輩が葉加瀬太郎さんという名門校に入学した15歳の春、皮肉にも運命を変える第2の出合いが訪れる。宝塚の舞台を観劇して、新たなる道を発見。
 宝塚花組の男役で活躍した12年は、「稽古と公演に忙殺される非日常」。40歳目前で選んだ第3のステージは、「ゆっくり日常を愉しみます」と笑う。

ランチ、喫茶。生ラムジンギスカンとお晩菜の夕食。
どれも日帰り利用可。
 自家製のパンとケーキは藤原さん、お晩菜などの料理はお母さんの朋子さんが腕を振るう。ランチも夕食も、日帰り利用できる。(夕食は前日までに予約)
 観客から観光客へ。素顔でもてなす今の彼女は、自然光の輝きを放っている。
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『Prezzemolo プレッツェモーロ』
標茶町塘路(国道391号線沿い)【営業】11時〜15時・17時〜20時、水曜定休。(T)015−487−4470※土日祝は、休憩なしで営業。
釧路市内から標茶市街へ向かう国道沿いに建つ。塘路駅に入る交差点より直進およそ50m、左側。
お客様第1号は、開店祝いの花を配達に来た若い店員さん。
「わざわざ引き返していらしたのよね」と嬉しそうに香里さん。ご注文は、ゴルゴンゾーラのクリームパスタでした。
2007年6月号 vol.21
2人が出合った道東に越して来ました。
3人の子供たちには、ここが故郷です。
井崎 雅一さん
パスタ&コーヒー『プレッツェモーロ』オーナーシェフ


愛車に匂いがしみ込むほど通い詰めた道東へ
決意から3年間の修業を経て、昨夏移住。
 初めての道東旅行から12年目の昨年、井崎さんはついに、旅人ではなく住人になってしまった。3人の家族、いや香里夫人のお腹に宿った4人目の家族も伴って、住み慣れた千葉県を後に標茶町塘路へ移住してきた。
 「25歳で道東を知って以来、何度訪れてもまた走りたくなったんですよ」
 平成9年秋、一人旅をのんびり愉しむ神戸在住の香里さんと摩周ユースホステルで出合う。2年後、思い出の屈斜路で二人は結婚式を挙げた。
 平成12、13、14年。夏休みに塘路でカヌーガイドを体験すると、心は決まった。「ここで独立しよう」と。
 イタリアンレストランで3年間、料理、接客、経営のイロハを貪欲に学んだ。

ミックスピザ(750円)
★生地は注文を受けてから伸ばす。外はカリッ、中はふわっとナイスバランス。
オリーブオイル風味のアンチョビと
しめじのスパゲッティ(930円)
★辛さの調節やニンニクの量はお好みで。

店名に込めた、地元定着の想い。
自家製を心がけ、地物を生かして。
 デザートは香里さん、他は井崎シェフが一人で作る。しかも、ドミグラスなどのソース、ピザの生地、ドレッシング、アイスはどれも自家製。手を抜かない。
「数に限りはありますが、出来るだけこのままでやっていきたい。ご近所の皆さんが差し入れてくれる山菜や野菜なんかもメニューに生かしています」。
 店名のプレッツェモーロとは、イタリアンパセリのこと。伊料理の定番ハーブに、塘路に定着する願いをかけた。

さり気なく差しのべられた手と手。
散歩がてら寄り合う場所になりたい。
 「4月に入ってからが大変でした。そんなとき、ご近所の方々が交代で2人の息子を自宅に呼んでくれたり、長女を散歩に連れ出してくれたんです。手伝うよと言葉にせず、ごく自然に。暖かい思いやりに救われました。今は、このお店がそんなご近所付き合いのたまり場になれたらって思うんですよ」 そう話す香里さんの横で、井崎さんも深く頷いていた。
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