北海道フードマイスターとは、札幌商工会議所が公式主催する認定制度で
道産食材に関する知識を検定します。
海底の稚貝はカゴで
最低1年以上育てる。
カキはデリケートなので
扱いに気を遣う。
1軒でカゴ約150枚、
1カゴ2〜300枚の
カキが入る。
「先駆者に苦労はつきものだけど、伝えればそれも仲間の財産になる」と、2代目かき養殖部会長の中居向政美さん。
2009年8月号 vol.47
昆布森漁業協同組合 かき養殖部会(釧路町)
FILE 04「仙鳳趾カキ」
チェプ(魚)、ポ(子)、オチ(群来する)の
アイヌ語が地名の語源。
「小魚のたくさんいる所」

厚くて旨味の詰まった大粒のカキ。
豊かな川と海に恵まれた仙鳳趾は、昔から
「小魚のたくさんいる」漁場。
 ぷっくりと盛り上がり締まった身、美しい乳白色。仙鳳趾のカキは外れがない。その上、グリコーゲン豊富で水分が少なく、熱を加えても縮まない。
 昆布森漁港から岬と花の霧街道(道道142号)を東へ約20?走る。鬱蒼とした森が一転、海原に変わった。
大黒島を望む仙鳳趾漁港の前浜は、厚岸湾と太平洋が交わる絶好の漁場。さらにカキ養殖場は、湿原の恵みをたっぷり含んだ尾幌川河口にも近い。最高の環境。
十勝沖地震の津波で約7割壊滅。
設備投資した矢先には風評被害。
「かき養殖は、辛抱と手厚い世話」
 カキは衝撃に弱い。手荒に扱えばすぐにショック死して、口を開けてしまう。
 平成15年、十勝沖地震の津波では約7割が壊滅した。なんとか立て直し、紫外線海水の殺菌設備も導入、これからという矢先に今度は、風評被害を受けた。
「それでも部会員20軒、誰もやめてない。水揚はこの3年、右肩上がりだし。ウチの部会は出荷や販売、稚貝の仕入先まで自由だけど、会合では何でも話すよ。成功も失敗も隠さない。」
「カキを育てる秘訣?それは、辛抱と手厚い世話さ。大きくなるまで待つ、重みでカゴ底が擦れないか豆に見る」
 家族を置いて出稼ぎするより地元でやりたい、と若い後継者が起こした新しい波も、こうして18年目。
「ようやくここまで漕ぎ着けたんだ。出来るだけいい形で、次の代に渡したいもね」日焼けした顔がほころんだ。
◆仙鳳趾カキのお求めは
「別保コミュニティマーケット葉菜海鮮」
(別保公園内)営業8〜18時・無休
「土曜市」
(昆布森漁協市場)9月初〜毎週土曜9時半〜売切終了
「ネット販売」http://www.konbumori.or.jp/

*問合せは、T0154‐63‐2311(漁協)へ。
過去の道東食材紀行(FILE03〜FILE01)
石井農園の野菜が買える場所
●直売所(下記参照)
●コープさっぽろ釧路市内各店
●山花温泉リフレ売店
※ホウレン草と大根は
 一部スーパーにも出回ります
石井農園 直売所
釧路市桜田10線67(T)0154-56-2866
【営業】午前9時〜午後4時・期間中無休
※直売所は7月〜11月上旬の営業ですが、石井さんが畑にいれば直売してくれるので立ち寄ってみて!
2009年5月号 vol.44
FILE 03「石井農園(釧路市桜田)のホウレン草」

1月の暖気で育ち上々のホウレン草。
もっと美味しくできる、夢中で16年。
 緑が浅い冬育ちの春先ホウレン草は「アクが少なくて甘みが濃い。おいしいよ」と、力強く話す農園主の石井悟さん。
1月の暖気で発芽が早まり、育ちも上々だと聞くが、刈り取った後には葉の小山が…
「丁寧に穫っても2割は棄てるよ。少しのキズも傷みの原因だから」と、石井さん。
 年間360日、石井さんは畑に立つ。畑違いの世界へ、34歳で飛び込んだ。手探りで16年間、「もっと美味しくできる」と、試作と工夫を繰り返してきた。

「まさか農業とは思わなかったわ」と、美保夫人(左)。

「去年は大根3haにブロッコリー1反の被害。毎年が挑戦だよ」と、
石井さん(右)。

風土、地元…人と土は表裏一体だから
土にこだわり、畑の脇に直売所を開く。
 土の力。地物が人を元気にする。かつて知人に聞いた話を石井さんは年々実感している。だから、土づくりに人一倍こだわる。
 裏山の湧き水をひき、堆肥や魚カスなどの有機肥料を使う。土が肥えれば、虫に強い野菜が育ち、農薬も減らせる。ただ、「地物が穫れる時期でも、年中安く出回る本州物に押され気味の現実が残念」と、唇を結んだ。
 地物をもっと食べてほしくて、畑の脇に直売所を開いて9年。常連客の要望で増やしたという野菜も数多い。毎年、新しい品種を試し、土地柄に合う野菜と育て方の研究を続けている。
 3年試作したアスパラガスが、今夏お目見えすると聞き、7月が待ち遠しい。
ザル1枚に約30mの縄。等間隔に枝縄と針98本を下げる「空釣縄」の仕掛 
台に取付けたペンチで針先をキュッと締める。
空釣縄漁に使われる返しのない針。
ヤナギダコの白糠型(右上)に比べ、
ミズダコの落石用(下左)は長い。
2009年2月号 vol.41
FILE 02「落石ミズダコ空釣縄漁」
落石漁業協同組合ホームページ
[URL]http://www.ochiishi.or.jp/


海底を行くミズタコを待ちぶせ。
餌なし、針の返しなし。通称、ばけ縄漁。
 10月末にミズダコ漁が始まると、2月の流氷接岸まで陸にあがったベテラン漁師達は連日、早朝から日暮れまで縄さやめ(ザルに仕掛けを準備する)の手を休む暇はない。
「風や波が強いとタコが外れちゃう面倒な漁なんだよ。だから、条件が良ければ毎日でも出る。縄の準備は忙しいんだ」と、落石漁協タコ部会長の水口清一さん。
 ミズダコは、4年目に一気に成長して産卵期を迎え、海底を移動する。そこを狙うので餌はいらない。雌で平均17kg、雄なら20kg超の大物が落石港に水揚げされる。

「縄のれんくぐれば〜なじみの顔が〜って、タコも歌いながら縄をくぐるんでないかい」と、朗らかなタコ部会長の水口清一さん。 「船に乗れば分かる」と呟いた濱屋さん。この道60年、海の男の一言は重い。

輸入自由化でタコ漁師が消えた過去。
漁獲高が上がれば、値は下がる現実。

 生で出荷できなかった昭和30年代までは、漁師達が酢漬けもした。それが、輸入自由化で一転どん底へ。昭和45年に水口さんと仲間4人が再開するまでの6年あまり、タコ出漁船はゼロだった。
「今だって違う壁はあるさ。去年よりたくさん揚がっても、値が下がれば苦しい。だから…」、生態が未解明なミズダコ追跡を楽しむんだ、水口さんは笑った。
阿寒町仁々志別に広がる
速見農園の白菜畑。
続く丘では牛たちが草を食む。
白菜の収穫、選別、箱詰めは、すべて手作業。
規格品は市場へ出荷され、
不揃い品は直売店や釧路市内の契約店で
直接販売される。
2008年10月号 vol.37
FILE 01「はくさい」

北海道トマタロウ農園(速見農園)が
取り組む減農薬、減化学肥料の農法。
 土づくりに牛の堆肥やスラリー(糞尿を液状化させた肥料)を用いて、化学肥料を減らしす。また、酸化力の強い水・土壌を還元力のあるそれに変えるFFCエース(写真下)の散布も4年目に入り、着実に成果が見えてきた。
さらに今年は、梅干し加工で出される廃液を活用した新たな試みも始めた。
「なるべく化学肥料を使わずに肥沃な土を作りたい。豊かな土が丈夫な作物を育てれば、農薬も減らせる」と、速見さん。
昼夜の温度差が瑞々しさの秘訣。
害虫、軟腐、規格外…出荷5割の現実も。
「温度差が大きい程、瑞々しく育つんですよ」(速見さん)
 涼夏の今年は害虫発生が少なく、農薬も減らせた。なのに、お盆直前の猛暑と9月初めの長雨にやられた…結局、出荷は約5割に。
 天敵は害虫だけじゃない。土に含まれる細菌が原因の軟腐、規格外で市場へ出荷できない作物も相当数に上る。
 根釧産の野菜は化学肥料使用量が全国水準の半分、というデータがある。半分にするための研究と手間ひまを少しながら垣間みて、地物白菜1玉の重みに有難味も加わった。

●平成19年度 白菜生産量
 釧路管内/13.2ha、536.7t
 根室管内/3.2ha、144.5t
北海道トマタロウ農園
(速見農園)の
速見明さん、信子さん夫妻。
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